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『週刊東洋経済』での野口悠紀雄先生の連載が最終回だった。この連載で述べられていたことは、私なんかからすると、至極当然というか、当たり前の事実という感じ。冷戦の終了による市場経済の拡大・中国の台頭、ITの急速な発展等に対応できて来なかったことが、日本経済の低迷の基本原因。

しかし、世間的には必ずしもそうではないようで、こうした基本原因を無視して、金融政策や財政政策をうまくやりさえすれば、問題が解決するかのようにいう人がいまなおいる。この命題の対偶は、問題が解決しないのは、政策が正しく行われていないからだという決めつけになる。

命題が正しければ、その対偶も正しいことになるが、そもそもの命題が間違っている。金融政策はいくらうまくやっても、自然率の状態を実現できるだけ。その日本の自然率の状態がポスト冷戦時代の環境の中で劣化していることが根本問題。どうして、こんなに当たり前のことが理解されない?

池尾和人 (kazikeo) on Twitter

「金融政策はいくらうまくやっても、自然率の状態を実現できるだけ」。ここ超重要だな。ただ、僕がウォッチしている限り、リフレ派にしても自然率を上げることだとか、生産性をあげることについて否定しているわけじゃないんだけれどね。

そして、インフレターゲットでは当然ながら生産性なんて向上できないのはリフレ派も言っていたかと。リフレ派の主張は「生産性が高くなったとしてもデフレギャップがあればGDPは上がらない、だからまずデフレを解消すべし」だったと思うけれど。しかし、 現状ではデフレよりも財政赤字のほうが喫緊の課題になりそうで、デフレを解消するのに財政破綻しちゃ意味ないよな。生産性も高くならないし、今では激しく毀損する可能性があるしで、誰も定量的な議論を一切しない現状では定性的な印象判断しかできず、その上での判断になるが、リフレ派は終わったかな、と僕は思うよ。

そもそもの問題は限られたリソースと時間の中で何をどうプライオリタイゼーションするかということを、現役かつ最先端の現場で研究しているマクロ経済学者がきちんと提言していないことが問題だったんだよね。もう遅いけれどさ。現役でマクロ経済学を研究している若い優秀な人がたくさんいるはずだろうから、今後は今回の意味のない論争の蹉跌を踏まないようになるように願うよ。

そもそもだ。今後は世界にもその内容が分かるように、日本経済の経済政策を英語で論争したら?インターネットの標準化の世界やオープンソース・ソフトウェアの世界では英語で議論しないと何も進まないのがアタリマエだし、理科系学問も何十年も前から日本語で発言するだけでは存在価値すらないのは常識だ。その点経済論壇の人たちは、自分のブログや匿名掲示板や論壇雑誌で定量化できないような駄弁を日本語で述べているだけでお気軽だ。世界に対して開いてないからすぐ仲良しグループで集まって党派的になっちゃうんだろうな。でもそうしていると、Richard Koo氏においしいところをみんなとられちゃうよ。いま、米国で日本の経済危機分析の第一人者といえばRichard Kooなんだから。知ってる?まあその点で、少しでも英語で自分の主張を述べようと努力している池田信夫氏はなかなかだし、その池田氏と生産性論争を繰りひろげた山形浩生さん(Mankiwらに質問を出して自分の疑問をあきらかにした)はやるなあと思う今日この頃。

(via kashino)

(via uncate)

(via clione) (via ishibashi) (via yosha) (via uessai-text)

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