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最近ものすごい勢いで活躍している高橋洋一氏の新刊。デフレ不況を真正面から取りあげた一冊という意味では、『この金融政策が日本経済を救う』以来の書といえる。

(略)

本書の特徴は、日銀のみならず、民主党政権、そして財務省への毒がたっぷり盛りこまれていること。くわしくは本書に直接あたっていただくとして、ひとつポイントをご紹介すると、民主党が「新成長戦略」でかかげた名目3%成長――実質成長2%+インフレ率1%――という目標について。これは財務省、日銀の双方にとってたいへん都合のいい目標値だという。なぜか。
著者は、増税(おもに消費税増税)を最後まで回避しながら財政再建をめざすとなれば、名目経済成長率4%が不可欠だとしている。これは実質成長2%+インフレ率2%で達成できる。民主党の3%目標ではかならず増税が必要になるので、目標値として失格だという。
ここで、中期的な歳入見込みや歳出削減策などをしめす「中期財政フレーム」に、高橋氏は注意をうながす。財務省主導でつくられ、政府が2010年4月6日に公表したものだ。これによると「慎重な」経済見通しとして、日本の実質成長率は1%程度と見積もられている。
そして、日銀の「物価安定の理解」はインフレ率1%を目標としているそうなので、中期財政フレームが想定する名目成長率は、あわせて2%ということになる。また、日銀はどうみてもインフレ率0%近傍のデフレ・ターゲットを採用しているとしか思えないので(最近はこれが流行なのか?)、2%の物価上昇はまず見込めない。
著者はこう指摘する。

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これらの新成長戦略・中期財政フレーム・金融政策のバラバラな三者は、微妙なバランスになっています。日銀がインフレ目標を拒みデフレを継続すると、名目成長はせいぜい二%。しかしそれは「堅め」の話であり、新成長戦略の目標は名目三%だから、すべての顔が立ちます。
しかし、これは増税路線であって、国民のためにはなりません。
ではどうすればいいのでしょうか。
微妙な三者のバランスを崩すには、はじっこのピンを狙うのではなく、インフレ目標という成功のための条件、「センターピン」を狙うことです。今の新成長戦略でも実質成長は二%なので、名目成長は四%になるのです。
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このように、財政破綻のシナリオをあおる意見に対して、いやいや債務はグロスじゃなくてネットでみなさいよと厳しく切り返すだけではなく、じゃあどうやったら破綻せずに済むのか新しいシナリオを考えましょうね、とニコニコ顔で応じる。これは本書の一貫したスタンスだ。こうした姿勢は今後、リフレ政策に理解をもとめる論法として有効性を増していくのではないだろうか。